まあでもエイトリの推しは百目鬼潜なんですよね

エイトリで一番最初に出会う男・百目鬼潜。
プロローグ1話のタイトルコールも担当してる。第一印象は「うさんくさすぎてちょっと好みを外れるんだよな…」だった。

この記事が想定していたより読まれているようなので誰にともなく要らない言い訳をしておくと、べつにAロマのキャラがいるからという理由でエイトリを始めたわけではないです(夕班メインストーリー読む前に友達に教えてもらったから知ってはいたけど)。北片來人さんのことも好きか嫌いかで言えば好きだけど、別に推しというわけではなくて…ディミトリ=アレクサンドル=ブレーダッドくらいの好感度で…そういえば第一印象も「ディミトリっぽい人」だった(FE風花雪月5周年おめでとう)。

くだんの記事は、夕班を読んだ際に「Aロマ表象をいざ目の当たりにすると少なからず混乱するものだな…Aロマ表象としての北片來人を評価するためのとっかかりが欲しいな」と思って自分で書いた(誰かが書いているかもと思ったけど、旧Twitterを検索するのが怖くて嫌だったため)。
要するに、自分とAスペクトラムの友達(※SNSの相互さんのことを友達と呼ぶ人間)の思考整理になればいいというのが主目的で、ついでに国産ゲームでのAロマ表象に興味ある人にリーチすればいいかなというノリで、かなり要点を絞って書いています。
夕班と北片來人について掘り下げようとすると予言絡みの話をしないわけにもいかず、しかし正直あの辺はAロマ表象の批評をするにはノイズすぎるのが難点。そんな感じなのでしばらく切り口に悩んでいたんですけど、区長ノベル4話を読んでやっと自分の中で言語化できそうだったので、存在を忘れていたはてなブログを思い出して記事を書いてみたという次第。

話を戻して、そもそもリリース日の翌日にエイトリ始めてたんですよ。
現在旧Twitterをやってない人間なので前情報が「矢田さん(まほステのファウスト先生)が声優をやるソシャゲがリリースされる」の一点だけで、つまり開始前に把握していたキャラは百目鬼潜さんだけでしたね。でも第一印象(プロローグ)では「そこまで好みじゃないかな~」という感じで、引き直しガチャの時に潜さんと來人さんの二択で悩んで來人さんにしたのだった(この時点では來人さんがAロマだとは知る由もなく、プロローグで逮捕されてた人じゃんプレイアブルキャラなんだとウケて選んだ)。

最初に引いたSSRが自動でホームキャラになる仕様らしく、ストーリーを読む前に來人さんの「囚人アイドルとはな…」みたいな台詞を目にして、朝班読むまで観光区長全員囚人アイドルなのだと誤解していた。

オーエン(まほやく)とチェズレイ・ニコルズ(バディミッションBOND)が推しの人間なので、夕班読み始めて早々に「ヤバ…わたし絶対に潜さんじゃん…」になり、しかしこの時点で既に來人さんがAロマだと知っていたので「よりによってAロマの男に執着するんかい」と半笑いで読み進めていた。
B面19話あたりもうストーリーはそんな場合じゃないのにずっと半笑いだったもんね。
「悪ぶってるけど(※実際に悪党)根は健気で律儀で真面目、かつ特定の男に執着しているゲイロマンティックっぽい人」に脆弱性がありすぎる自分に気づかされた2024年初夏でした。
夕班読み終わってまず指名チケットみたいなの買ってSSR潜さんをリクルートし、区長ノベルを読み、意味もなく潜さんの誕生日に休暇を入れた。

区長ノベルまで読んだ感想としては、潜さん自身は非常にゲイロマンティックな人物として描かれているなと思うんですけど、でも「異性に恋愛ないしは性愛が向かない人」とは描かれないだろうなとも思う。はっきりと同性愛者とは描かれないだろうなという話を前回したけど、そういうことです。
フレデリクに向けていたのは恋愛感情だろうけれど、來人さんには恋愛感情はなさそうだし、來人さんも非恋愛の執着には応えられそうなのでこの人たちの関係性についてはある意味心配していないかも。お互い都合のいい相手という感じで…。

とくにまとまりのないまま終わります。

【18TRIP】国産ソシャゲに颯爽と現れたアロマンティックの男

『18TRIP(以下、エイトリ)』とは、2024年5月23日にリリースしたばかりのスマートフォン用アプリゲームのことである。ジャンルは「近未来おもてなしアドベンチャー」。

18trip.jp

詳細は公式サイトを確認してもらうのが早いが、ざっくり説明すると、近未来(2055年頃と推測される)の横浜を舞台にした『旅(観光)』がモチーフのADVゲームである。近未来と言っても、我々の現実と地続きというよりはパラレルワールドのような未来の日本(ゲーム内ではJPNという国名)だと思われる。近未来SFとしてのリアリティラインは『ドラえもん』くらいを想定するといいかもしれない(なにせメインキャラにアンドロイドと人間に擬態した地球外生命体がいる)。
プレイヤーキャラクター(主人公)は寂れてしまった故郷のHAMA18区(横浜市)を観光都市として再興するため『観光区長』である20人の男性(?)たちと交流しつつ、ツアーコンダクターとして奮闘する。
ものすごく乱暴に分類すると「若いイケメン男性とプレイヤーキャラの(恋愛含む)交流を楽しむ乙女ゲーム」の流れを汲むソシャゲという括りになるだろう。ただし主人公であるプレイヤーキャラクターの性別は女性に限定されておらず、男性を選ぶこともできる(近未来なのに性別二元論かあ…とった残念さはあるが)。この手のゲームには珍しくプレイヤーキャラクターにもボイスがあり(オンオフ可能)、メインストーリーはフルボイスで楽しめる。
また、ストーリーが“売り”ということで、ゲーム開始時点から60万字を越えるボリュームのメインストーリーを無条件で読むことができる。20人の『観光区長』たちは5人ずつ4つのグループ(朝班・昼班・夕班・夜班)に分かれており、それぞれの班ごとにストーリーが展開していく。朝班から順番に読むことも、気になるキャラクターが所属する班のチャプターから読むことも可能だ。

前置きが長くなったが、タイトルに書いた通りこのゲームにはアロマンティック*1のキャラクターが登場する。メインキャラクターのひとりで、『夕班』のリーダーである北片來人(きたかた・らいと)という25歳のシスジェンダー男性である。
ゲーム中に「アロマンティック/アセクシュアル*2」といった用語は出てこないものの、この北片來人は作中で「自分は他人に恋愛感情を抱けない人間だ」と周囲にカミングアウトしており、アロマンティックとしての葛藤が(いち当事者*3から見ると笑ってしまうくらい生々しく)描かれている。
国産のソーシャルゲームにおいて、明確にアロマンティックのメインキャラクターが登場するのはおそらく初めてではないだろうか(もし他のゲームにいるならやってみたいので教えてほしい)。コンシューマーゲームでも『グノーシア*4くらいしかパッと思いつかない。
昨今ではアロマンティックとして読むことが可能なキャラクター自体はは増えているように思うが、アロマンティックとして描かれているキャラクターはまだほとんどいない。
だからこそエイトリは作り手が意図的にアロマンティックのキャラクターとして描いている(ストーリーを読むとそれがわかる)という点で画期的だ。
数年後には「ちょっと描き方が古臭いなあ」と言われるかもしれない隙や粗はまあまああるのだが、後々ひとつのターニングポイントになりそうなので、自分のために現時点での所感を含めて記録しておく。

なお、「日本のゲームにおけるアロマンティック/アセクシュアル表象に興味がある」という動機でエイトリをプレイする場合は、プロローグ後にChapter3から読んでしまうのもありだろう。その場合、引き直し可能なチュートリアルガチャでは北片來人のSSRとSRを両方獲得しておくこともおすすめする。メインストーリーは無条件で読めるが、各キャラクターの掘り下げがある個別ストーリー『区長ノベル』を読むためにはそのキャラクターのカード育成が必須だからだ。
とはいえ、アロマンティックがどう描かれているか確かめたいのであればメインストーリーだけ読めば事足りる。

【追記】想定より大勢の方に読んで頂いているようなので、念のため今更ながら補足すると、この記事では北片來人の恋愛的/性的指向のみに絞って話している。來人の性格や趣味嗜好については極力省いており、彼のキャラクターとしての魅力(あるいは欠点)を語っているものではない。アロマンティックの人間はアロマンティックというだけでみな同じような性格というわけではなく、人それぞれ価値観も性格も趣味も異なる。わたしも当然ながら來人とは似ても似つかない性格だし、自分があの世界にいたとしても、彼とはそれほど気が合わないと思う。

ちなみに、メインストーリーではアロマンティック/アセクシュアルが受ける典型的なマイクロアグレッションの描写が多々あるため、その点は注意が必要。

以下、ストーリーのネタバレを含む所感(おそらくあまり客観的ではない上、ストーリー自体の感想ではないのであしからず)。

Chapter3 B04 「Never Love Me」

タイトルからして直球すぎて、読み返していてちょっと笑ってしまった。
状況を説明すると、直前に一緒に昼食を買いに行った主人公と來人が弁当屋の店員に「付き合いたて(の恋人同士)?」「いい雰囲気だったから(カップルだと思った)」と言われるシーンがあり(そんなこと客に言うか?)、それを受けた來人が「自分は他人に恋愛感情を持てない」とカムアウトしたうえで主人公に「自分を性愛の意味で好きにならないでほしい」と伝えている場面である。
來人のこの唐突なカミングアウトには一応理由というか前振りがあり、前日の夜に主人公が來人に「好感を持っている」と告げられたことに端を発する。主人公は「他意はないのだろうけど照れちゃうな」と來人の“好感”をややロマンティックなニュアンスとして受け取った。それを察した來人がつい先手を打ったという構図だ。
このやや唐突に見えるやり取りから、來人がこれまでにも「親しくしていた相手に素朴な親愛を伝える度に、恋愛的な感情として受け止められてしまった」経験があったのだろうと伺える。
このあたりの主人公の反応が他のキャラクターに対するものと比べて妙に過剰なことから、「アロマンティックの人間に対する周囲のマイクロアグレッション」を可視化するために意図的に描かれている部分なのだろうなと推察する。

ちなみに、主人公の性別が男女どちらでもまったく同じ流れになる(わたしは主人公を男性にしていた)。
Chapter2では「主人公の性別が男女どちらでも同じように恋愛感情を向けてくる高校生」もおり、世界観としてパンロマンティック/パンセクシュアル*5が一般的らしいことが伺えた(近未来だからね)。
Chapter3の他のキャラクターの台詞にも「今の時代にもしかして異性愛オンリーかな?」といったものがある。少なくともその程度には異性愛以外が珍しくないようなので、同性婚も法制化しているかもしれない(その割には両親が同性カップルというようなキャラクターはおらず、モブのカップルにも同性同士はいないけれど)。

そんなセクマイ差別が多少はマシになっていそうな近未来で、アロマンティックであることにそこまで思い悩むことあるか?という疑問はあるのだが、『在校生徒の人数が1万人という超超マンモス高校』が存在するくらいなので、“画期的な少子化対策”としてロマンティック・ラブ・イデオロギー*6&恋愛伴侶規範*7の強烈なプロパガンダが為されたディストピア世界なのかもしれない。
などという冗談はさておき、2024年現在のプレイヤーにとっては、まずこの「ロマンティック・ラブ・イデオロギーと恋愛伴侶規範にとことん苦しめられるアロマンティック/アセクシュアル」という描写が前提として必要なのかもしれないとは思う。この來人の葛藤を読んではじめて「自分もこの人と同じかもしれない」と気づく人もいるだろう。「まだそこから?」ともどかしく思う気持ちもないではないが、実際「まだそこから」なのだろうと感じた。

北片來人がロマンティック・ラブ・イデオロギーを内面化しているのは、仲睦まじい彼の両親から「愛とは尊いもの」と教えられて育ったからだ。この場合の『愛』とはロマンティック・ラブのことで、彼は「(恋愛・性愛の意味で)愛し合う相手と結婚し子を作ることこそ人生の喜び」という価値観を幼い頃から植え付けられていた。
しかし、他のことはそつなくこなしていた來人だが、いざ恋愛してみようとした時に「自分は他人に恋愛感情を持てないのでは?」と気づく。
大富豪の御曹司であり容姿端麗スポーツ万能の秀才という、いわばハイスペック男性の北片來人はとにかくモテた。『JPNで結婚したい男ランキング』にもランクインし(そんなランキングやめちまえ)、社交界でも理想の結婚相手として持て囃されていた。アロマンティックの人間にとっては針の筵のような環境である。
來人も最初は相手の思いに応えようと努力して、告白してきた相手と交際もしたが、恋愛の意味で相手に惹かれることはなく、関係はすぐに破綻した。せっかく心地よい距離感だった親密な相手とも、恋愛感情を向けられて、それに応えられなかったがために疎遠になることもあったという。(あるある…)
とある事情(※ストーリーの重大なネタバレなのでぼかします)から、來人は『人生の楽しみ』を追求し経験しようとしている。これまでも起業したり暴走族のリーダーになってみたりと様々なことにチャレンジしてきた。しかし「至上のもの」と教わっていた恋愛だけは享受することができなかったのだ。來人にとっては初めての挫折とも言えるだろう。

來人の『区長ノベル』4話では、その葛藤についてより深く掘り下げられている。

自分自身の性的指向について思い悩み(という描写自体が国産のソシャゲでは残念ながらとても希少だと思う)、自分は恋愛感情を持てないのだと確信した時、彼は自分自身に絶望する。その絶望のまま、他者と深く関わる(親しくなる)こと自体を諦めるようになっていった。

「他人を(恋愛・性愛の意味で)愛せない」コンプレックスと彼が抱える別の秘密が合わさって、來人の他人への接し方は人当たりの良さに反して大変そっけない。
そのそっけなさ(他人への関心のなさ)によってストーリー上トラブルが起きたりもするのだが、個人的には「親密なそぶりを見せると恋愛に誤解される危険性があるなら、そっけなくするのは処世術として当然では?」と思う。けれど、実際にそういう態度を取れば“冷血”あるいは“薄情”な人間だと評価されがちだ。
訳あって『ご当地囚人アイドル』(?)になった來人が一部のファンから向けられる恋愛感情を受け止められず、罪悪感とストレスから自暴自棄になってしまうというようなくだりもある(※かなりざっくり端折っています)。
このあたりの機微(來人の抱える諦観)は彼の恋愛的/性的指向の問題より、彼が抱える物語上の秘密に起因する部分も大きいのだが、少なくとも來人がアロマンティックでなければ「あらゆる性別の人間から向けられる恋愛感情に応えられないことの罪悪感と劣等感」「罪悪感と劣等感を回避するためには他人との深い付き合いができない」「他人に心を開けないために“薄情”と思われる」といった苦悩はなかっただろう。

物語の上では最終的に「恋愛だけが“愛”ではない」という言説に來人自身が一応納得できたことで一区切りついている。
少なくとも(現在の公開範囲においては)來人が恋愛感情を持てるようになったりはせず、彼はアロマンティックのままだ。恋愛的/性的指向を含め、理想の自分と違っていてもそれが自分なのだと來人自身が受け入れることができたように見受けられる。その上で“他人に恋愛感情を持てない”ことを理由に諦めていた他者との繋がりを諦めずに再構築しようと模索している。アロマンティックのキャラクターの描き方としては誠実なものだと感じた。

なお、メインストーリー・区長ノベルを通して、來人が他人に恋愛感情が持てないアロマンティックであることは(本人に自覚があることも含めて)はっきり描かれているが、アセクシュアルでもあるかどうかという点については、解釈が分かれるところだろう。
來人の言う「性愛の意味で好きにならないでほしい」を素直に捉えれば、彼はアロマンティックかつアセクシュアルなのだろうと推測できる。
しかし彼はあくまで「他人に恋愛感情を持てない」としか言っていない(「他人に性的な欲求が向かない」という発言はない)。來人はあくまで“恋愛”を拒絶しているのであって、“恋愛感情が一切ない性交渉”であればしたいと考える可能性もゼロではないだろう。しかし問題は、來人にとってはおそらく恋愛と性愛がセットであるという点だ。知識としては恋愛感情のないセックスがあることも彼は理解しているだろう。だがロマンティック・ラブ・イデオロギーないしは恋愛伴侶規範を強固に内面化している來人にとっては恋愛の相手とのゴールは結婚と生殖であり、逆に言えばセックスの相手と恋愛関係にないことは腑に落ちないのかもしれない。少なくともストーリーから読み取れる範囲では、來人の中では恋愛と性愛が分かちがたく結びついているのだろうと思う(恋愛的惹かれと性的惹かれを綺麗に分離できるかどうかは人によるので、彼の場合はどちらも切り離せるものではないのかもしれない)。
メインストーリーでも区長ノベルでも、來人は自分の性的指向/恋愛的指向を確かめるため、告白してくれた相手と何度か付き合ったことがあると語っている。彼にとっては「恋愛・結婚・生殖」がワンセットであると思われ、相手に合わせて性交渉をした(しようとした)可能性は高い。可能か不可能かという意味であれば、セックスは行為にすぎないので、アセクシュアルであっても可能である。例えば、嫌いな食べ物でも無理やり飲み込むことは可能だろう。だから、過去にセックスの経験あったとしてもその経験はアセクシュアルの自認を否定するものではない。來人が実際に性交渉をしたかどうかはさておき、「恋愛の相手とはセックスをするもの」という価値観を持った上で恋愛・性愛の両方を拒絶していることから、個人的には來人はアロマンティックかつアセクシュアルなのだろうと解釈している。

前述のとおり來人の中では恋愛・性愛・結婚がかなり強固に結びついている。これは來人自身がロマンティック・ラブ・イデオロギーを内面化しているためでもあるが、同時に周囲(世間)の抑圧によるものでもある。
メインストーリーでは周囲の「恋愛だけが“愛”じゃないよね」という指摘を受けて、來人も納得するのだが、個人的には「簡単に言うんじゃねえよ」という気持ちもある。
恋愛だけが“愛”ではないなどということは來人もわかってはいるだろう。その上で、恋愛という“愛”を受け取れない人間は常に“欠陥がある”というレッテルを貼られるから苦しいのだ。そのレッテルを貼るのは世間であり周囲の人間である。
たとえば恋愛感情を自分に向ける相手と結婚を前提に交際したとして「恋愛的にも性愛的にもあなたのことは好きではない。友情としては好き」と言ったら最低だと罵られるだろう。さりとて他人に“期待”をさせないように距離を置けば、それはそれで「冷たい」と言われたりもする。25歳のモテ男であれば「どうして結婚を前提とした恋人がいないのか」という圧に晒され続けて、さぞやしんどかっただろうと思う。

このあたりなど、ちょっと気持ちがわかりすぎて笑ってしまった。
個人的に歳を取るにつれて「恋愛や性愛が可能かどうかを無理に試す必要はない」と思えるようになったが、それは加齢により自分が世間的な“結婚”の対象からドロップアウトできたからだ。つまり、加齢や前科のような“瑕疵”がなければ恋愛・結婚・生殖の圧に晒され続ける世の中であるという証左でもある。

北片來人はフィクションのキャラクターであり、彼の恋愛的/性的指向について仮にはっきり明記されていたとしても、プレイヤーにはそれを無視する権利がある。「來人もいつか恋愛“できる”かもね」「まだ恋愛できる相手に出会っていないだけ」と思ったり発言するのは当然個人の自由だ。
しかし來人と同じようなアロマンティックあるいはアセクシュアル(あるいはその両方)の人間は「いつか恋愛“できる”かもね」というような善意の暴言を受け続けてきた。だからこそアロマンティックとして描かれたキャラクターに、自分が浴びてきたような言葉が浴びせられているのを目にするのはとてもつらい。
Twitterを離れているので実際に目にしたわけではないけれど、「來人さんもいつか恋愛するかもしれない」といった言動を目撃したらスマホを割りかねないな、と思いながらゲームをプレイしている。見ないからと言って“理解されなさ”が消えるわけではないのだが、直視すると非常に削られる。
それでも、ソーシャルゲームのメインキャラクターとしてアロマンティックの人物が描かれたことはとても嬉しかったし、今後もっと増えていくといいなとも思う。

ひとつだけ残念に思っているのは、アロマンティックやパンロマンティックのキャラクターは登場しても、ゲイロマンティック(同性“だけ”に恋をする人)は描かれないことだ。近未来が舞台だとしても、20人あまりの男性の中にアロマンティックの人間がいるならゲイの人間はそれより多くいるだろう(単純に割合の問題として)。同性愛者への偏見が無くなった世界という設定ならなおさらである。それなのに、ホモフォビアへの迎合にアロマンティックやパンロマンティックを使われてしまったとしたら非常に不本意だ(実際のところ、アロマンティック/アセクシュアルというのはホモフォビアの正当化に利用されやすい)。
もちろん、現時点で判明していないだけで同性愛者のキャラクターもいるのかもしれない。しかしせっかく「誰にも恋愛感情を持てない人間」を描いているのだから、「同性にのみ恋愛感情を持つ人間」もはっきりと描いてほしいと思う。

アロマンティックのキャラクターを描いてくれたことに感謝しつつ、その点については今後に期待したい。

*1:Aromantic。A(エイ)ロマンティック。他人に恋愛感情を持たない人、またはその指向。わたしは普段アロマンティックという表記はほとんど使わないのだが、今回は読みやすさを重視して使用してみた

*2:Asexual。A(エイ)セクシュアル。他人に性的欲求が向かない人、またはその指向

*3:この記事を書いている人間はアロマンティック/アセクシュアルのシスジェンダー女性

*4:宇宙船が舞台のひとり人狼ゲーム。男女以外の第三の性別“汎”が存在し、汎性には恋愛感情がないという設定。

*5:Panromantic/Pansexual。あらゆる性別の人が恋愛/性愛対象になる人、またその指向

*6:「恋愛によって結びついた男女が結婚し、出産、子育を通して愛を育みつつ、ともに年をとっていく」という、結婚における純愛至上主義を指す

*7:amatonormativity。こちらの記事参照

パラノマサイトのポップアップストアに行って来た話

パラノマサイトのポップアップストアが今日から始まったのでふらっと行ってきた。マダムこと志岐間春恵さんのアクスタが欲しくて……。

www.jp.square-enix.com

開店時間を調べようとしたところでようやく初日は整理券配布式だと知り、配布時間ギリギリに到着。その時点でざっと150人ほど並んでいてビビる。平日なので言うてそんなに人いないだろと甘く見ておりましたね。
抽選整理券の時間が2時間後で(おそらく配布された中で一番遅い回)、先にロケ地巡りするか悩むも「どうせならグッズ買ってから回りたいな…」と思い、ちょうど散髪したかったので近場で空いてる美容室を調べてカットとカラーして時間をつぶした。

指定時間にポップアップストアに出向いたところ、ちょうどそのタイミングでフリー入場になっており、整理券の意味とは…!?髪切りたかったからいいんだけども。

とりあえずマダムとプロタンのアクスタ、テレビ型マグネット(マダムとミヲちゃん)、両国橋専用フォトカードあたりを購入。
あと呪詛珠ガチャしたかったのでストラップを1個購入。

馬鹿囃子でした。
ミヲちゃんTシャツは悩みに悩んだけど着ないな…(そもそもSサイズがないし…)と見送ったらやはり完売していた。でもあのタイプのTシャツ本当に着ないからな…。
迂闊にも入口の並垣を撮り損ねたけど、それにしても並垣の愛されぶりよ。

www.famitsu.com

 

せっかく錦糸町まで来たので本所七不思議巡りもしてみた。
錦糸堀公園→法恩寺橋→北斎通り→緑町公園→旧安田庭園→両国橋のコースで歩き、途中でカフェ入ったり北斎美術館寄ったりベンチで休憩したりしたので所要時間はおおよそ3時間弱。馬鹿囃子寄ると時間がかかるしモデルになった学校は別の場所なので今回は割愛。北斎通りは写真撮ってなかった。
歩いた感想としては、35度の猛暑日の昼間にサンダルで歩くコースではない。途中で足攣ってちょっと焦った。次に行くときは絶対スニーカーで行きます。

1.錦糸堀公園

置いてけ堀の像を撮り忘れた。

2.法恩寺

3.緑町公園

せっかくなので北斎美術館にも入ってみたけど体力がつきかけていたので元気な時に行くべき。緑町公園のベンチでしばし休憩。

4.旧安田庭園

あの背景の場所がわからん…と思いながら2周したけどわからなかった。

5.両国橋

このためにフォトカードKを買ったってわけ。

次回は日が暮れてから来たいね。

ひとり飲みの約束(まほやく×HUBコラボの記録)

唯一毎日ログインしてるソシャゲ「魔法使いの約束」のHUBコラボが始まったので1人で2回行ってきた。

グッズにあまり興味がないので(特にブラインド系)コラボカフェ系は見送ってたけど、まほやく×HUBコラボが予想外すぎて即予約。最近アニメとちょくちょくコラボしてるのは耳にしてたけど、ソシャゲ第一弾(多分)がまほやくなんだ…?という意外性よ。たしかに飲んだくれキャラは多いし作中の拠点にバーもあるし酒場の店主はおりますが…。まあユーザーの年齢層が高めのような気も薄々してた。

コロナ禍以前(だいぶ昔)フィッシュ&チップス目当てでちょくちょくHUBに通っていたこともあり、平日の会社帰りにひとり飲みできるな…と思い立ち、結果的に週1で通っている。せっかくひとり飲みしてきたので、コラボのシステムやメニューの感想、1人のメリット・デメリットなどを記録しておく。気になるけど同行者見つけるのが面倒だし、でもパブに1人で行くのは不安…という人の参考になれば幸い。

システム

①WEBで事前に日時と人数を予約

人数を選択すると空き情報が出る。店舗によって1人席の数が違うようで人数を切り替えると空き情報が変わる(ディフォルトは2人)。東京だと1人客は秋葉原店より池袋東口店が取りやすい印象。

②予約した日時に入店、コラボ飲食券を購入(現金支払いのみ)

二千円を支払い、五百円×4枚綴りの飲食券を渡される。スポーツ観戦イベント(三千円支払って二千円分の飲食割引券を買う)の形式の流用なのねと納得してたら飲食券の裏面に「試合日」と記されているのに気付いて笑った。何の試合だ。

コラボイベントはイベント運営費の上乗せがない分コラボメニューの価格が通常より高めに設定されていると思われる(特典も込みと考えるとこんなものだろうという価格設定ですが)。
グッズ注文用紙を希望すれば渡され予約席に案内される。1人だとカウンター席かなと思っていたけれど2人用テーブルでした。1人予約の客は固められていた様子(両隣も1人客だった)。

③カウンターで注文・会計

HUBの会計はキャッシュ・オン・デリバリー・システム。つまり席に着いたあと自分でカウンターへ行き注文する。開始時間直後はカウンターが混み合うので、場合によってはけっこう並ぶ印象。
HUBメンバーズカードのコラボアプリカードを登録したい場合は、注文の前に一度入会金五百円を払って自席でアプリの登録とPIN入力をするのがよいかも。登録を済ませてから注文すればコラボメニューも5%会員割引の対象になる。今後も継続的に行くならお得。

こんなふうにアプリ上に擬似カードが表示される。

コラボメニュー1品につき特典のランダムコースターが1枚もらえる。ドリンクはその場で提供されて自分で席に持っていき、フードは番号札を渡されて後ほど店員さんが運んでくれる(自分の座席番号を覚えておいて伝えるとスムーズ)。カウンター横にセルフサービスの水もあるので、ドリンク1杯と水のコップ、番号札を持つと両手が塞がる。ドリンク1杯+フード1品を注文し飲食券3枚+差額で会計、追加注文する時に残りの飲食券1枚+差額支払いがよいかも。
周囲にほぼコラボ客しかいないのでそこまで神経質になる必要もないと思うが、ひとり飲みの時は食べかけや飲みかけを残して席を立たないほうが安心(面倒な話だけど)。注文会計時やトイレでどうしても席を立たざるを得ないので、荷物も常に持ち歩けて両手が空くボディバッグやショルダーバッグのほうがストレスが少ないかも。座席やカウンター前が狭い店だとリュックは邪魔かもしれない。会社帰りじゃなかったらボディバッグで行きたかった。

ひとり飲みのメリットとデメリット

①メリット

ほとんどコラボ客で占められているので、ひとりで飲んでいても絡まれたり話しかけられたりしない。客層に安心感がある(危険を感じない)。パブで酔った客に絡まれないでひとり飲みできるというのはメリットとしてけっこうデカい気がする。
90分入替制もひとり飲みだとちょうどいい時間。まったりマイペースに飲んでも余裕で間に合う。グループだとかなり短く感じそう。

②デメリット

フードがシェア前提の量なので、1人だと1度に全メニューを試せない。単に味見がしたいだけなのに(食い意地が張っている…)。
あとは前項にも書いたけど荷物の管理のわずらわしさや中座しにくさなどはどうしてもある。これはひとり飲みの場合どうしようもない。
周囲のグループは賑やかで楽しそうなので、その中でひとりでいることに気後れを感じるタイプだと厳しいかも。慣れの問題もあるけど、周りが賑やかでもひとりで飲むのが寂しくない人は楽しいと思う。

店内の雰囲気

店内の全てのモニター(通常は野球やサッカーなどの試合を流してる)でイベント予告PVが流れ続けていた。今気づいたけどこの編集、祝祭縦画面上映会と同じでは…?
OPの後は西祝祭から2周年まで(除くサンリオコラボ)順番にPVが流れてループ。なぜ2周年までだったのかは謎。3周年動画まで流してもよかったのに…。間に飲んだくれイベント(「未完のワインに思いを馳せて」)もあるし。

↑これがイベントの順番に流れる(BGMが大好きなので隙あらば「再会と軌跡のバンケット」を貼る人)。そういえばこのイベント予告動画たち現状Twitterにしかないので公式のYouTubeチャンネルなどにもアップしてほしい。

コラボ予約以外のお客さん(仕事終わりのサラリーマンなど)もごくわずかにいたけど、延々と流れ続ける予告動画の意味まったくわからなかっただろうな。同好の士と行った場合は動画見ながら好きイベントトークで盛り上がるだろうから良いチョイスだと思う。ひとりでも好きなイベントを反芻できて楽しかった。

コラボメニュー感想

ドリンク

他のアニメコラボだとキャラクター名のイメージカクテルが提供されていたようだけど、今回のまほやくは作中に登場したカクテルが中心で、そう考えると確かに酒の登場頻度が高いゲームだな…。賢者の真木晶さんが下戸なのでモクテルも作中登場したノンアルなのが面白い。次はノンアル頼むのもよいかも。
メニューの説明文も原作サイドの丁寧な監修が感じられるのでColy側が力を入れたコラボ企画だったのかも?という気もした。好評っぽいし、ぜひ定期的にコラボ開催してください。
ドリンクは全体的に甘め、量多め、アルコール度数は低め(おそらく3~4%程度)。

①雪と三日月の青い夜のカクテル

スノースタイル(塩)が効いててすっきり甘い。お酒苦手だけど1杯くらい飲みたいわという人はこれかルージュベリーのカクテルがおすすめ。甘党はルージュベリーかな。

②ルージュベリーのカクテル

がっつりストロベリーリキュール味。スノースタイル(砂糖)でダメ押しに甘いので甘党向け。オーエンちゃん魔法舎のバーでこればっか頼んでるんだろうなって味。

③西の酒場のお手製サングリア

カシスとジンジャーエールですっきり甘めのサングリア。フルーツはブルーベリー、オレンジ、レモン、メロンあたり。

④新たな出会いを求めて、金の花びらのカクテル

飲む上限解放。コラボドリンクの中で一番のお気に入り。コラボ終わってからも飲みたすぎてバーテンダーさんに通常メニューだとどれが近いか訊いてしまった。アップルジンジャー(に少しピムスを足してとオーダー)だそうです。普通にアップルバーボン買って家で作ろうかなというレベルで気に入っている。

⑤魅惑の酔いどれカクテル

「今回のイベントのためにシャイロックが張り切って考案した」という説明文を読んでしまっては注文せざるを得ない。張り切るシャイロック可愛い。ウォッカベースなので下戸向きではない。ピーチリキュールの風味がけっこうちゃんとある印象。

フード

①ネロのお手製ミートパイセット

通常メニューのパスティにポテトと「ネロのお手製」という付加価値がついたもの。5種類のソースから1つ選べる。バジルマヨソースにしました(おいしかった)。ソースはポテト食べるのに使った。ミートパイは醤油とみりんを使わない肉じゃがの具をパイで包んだ感じ(雑すぎる説明)。小食の人はこれ一品で充分かと思う。

②オアシスピッグのアヒージョ

オアシスピッグには鶏や羊も含まれます????だった。砂肝っぽいところとラム肉があった気がする(アレルゲン表を確認したところ鶏は確実に入っていた)。完食せねばというプレッシャーと戦っていたので若干自信はないが。
スイートコーンやズッキーニ、パプリカなども入って全体的に甘めのアヒージョだった。酒がとても進む。これ一品頼んで延々と金びらカクテル飲みたい…という感じだった。

③カインのバースデーケーキ

甘い。生クリームたっぷりのロールケーキの上にバニラアイスがのっかってベリーソースが掛かっている。ルージュベリーのカクテルと一緒に食べてしまったので甘い×甘いだった。甘党なほうだけど塩気が欲しくなったので騎士様よりはオーエンちゃんが好きなやつじゃん…と思いました。オレンジの砂糖漬けも甘くて美味しい。